だから、お前はほっとけねぇんだよ
「……遅刻魔」
あたしは眉を細めて琥侑に向かって呟いた。
「……あ?」
……やばっ
独り言のつもりだったのにちゃんと琥侑に聞こえてたみたい。
「まだ遅刻じゃねぇよ。お前は時計もキチンと読めねーのか?」
「な゙っ‼」
いつもと変わらず、憎まれ口をたたく琥侑にあたしの怒りは急上昇。
あたしはガタンと音をたてて椅子から立ち上がり、琥侑に言い返す準備をした。
……が。
「姫瑚っっ‼‼」
「わぁ‼」
ゆっちにグンッと思い切り腕を引っ張られ、あたしは後ろに倒れそうになる。
「何!?今琥侑に言い返そうとし」
「バカ‼」
あたしが反論しようとすると、ゆっちはあたしよりもっと大きな声でそれを遮った。
「アンタそれ好きな人にする態度じゃない!」
琥侑を気にして、あたしにしか聞こえないボリュームで叱るゆっち。
ゔっ……
「そ、そうだけど……」