魔法と不気味な洋館の少女。
自分の声が聞こえた。
「・・・こ・・・ぇ・・・・・・・・・で、て・・・・・・る・・・?」
自分なりにおっきな声で言ってみたけど、あたしの耳には全然入って来ない。
多分。聞こえてない。
「ああ、でているよ」
答えてくれた。
ちゃんと、聞こえてたんだ。
「その代わり、耳を聞こえないようにしたけどね」
口で分かった。
今、なんにも聞こえない。
自分は・・・声を出しているはず。聞こえない。
聞いてない。
なんで、いまさら・・・。
「いや?」
そう、聞こえた。と、いうよりわかる。
「ぃ・・・・・・ぁ・・・」
”いや”
そういったはず。
多分。確信はない。
「やなんだ。だったら、さっきのように声が出ない方がいい?」
だったら、耳が聞こえないよりましよ。
「ぅ・・・・・・ん」
言えた、聞こえた。
「聞こえる?」
聴こえる。
頷いた。こくこくって。