君の笑顔につられて
私にはそれがわからない…
差別することがどうして必要なのか…
ピンポンパンポーーン
『えぇ…今から呼ばれる生徒は至急理事長室に
来てください…
音楽科3年S組、木嶋敦君 東条千秋君
2年S組、栗原星夜君 社久音君
1年S組、天宮司君 白石沙織さん…』
なんだ…全員音楽科じゃない…
どうして普通科の放送にまでかける
必要があるんだか…
『普通科2年F組、佐木羽奏さん』
ブッ
「ケホッケホッ!な、なんでっ」
「なんかしたの羽奏?」
「羽奏大丈夫?」
皆が声をかけてくれるけど
今の私はそれどころではなかった…
どうして理事長が私みたいな落ちこぼれを
呼んだわけ?
ま、まさかバレたわけとか…
いやいや、そこらへんはなんとかしてくれてる
はずだから…
「と、とりあえず行ってくるね」
「わ、羽奏!」
「ん?」
「ちゃんと…帰ってきてね?」
朋美は不安そうな顔で私のことを
見ていた…
そりゃあそうか…去年なんか…あんなことが
あったんだもんね…
安心できる訳ないか…