GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「あんな風に律に暗示をかけられたフリが出来るんだもんね、心配してるフリなんか余裕よね」

「……!」

「どうせ、やっと心を許した大好きな彼がヴァンパイアで、ただ私の血だけが目的だったことも心で笑ってるんでしょ?!心配してるフリして、心ではバカだって笑ってるんでしょ?!」

「やめろ。瀬里はそんな人間じゃない」

雪野一臣が私の言葉を否定したけど、それが追い討ちをかけて私の神経を逆撫でする。

「確か以前、あなたは律を化け物だって言ったよね!?」

私は目の前の彼を睨んだ。

「人の事言えないじゃん!」

「藍ちゃん、やめて」

瀬里の声が震えていた。

「あんただって変わらないよ!全然律と変わらない!」

「藍ちゃん!」

私は止めなかった。止められなかった。
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