GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「……」

「……」

押し黙る皆の中から男の人が言葉を発した。

「マリウスの要求はなんだ」

「さあな。だが、マリウスも手ぶらではヴァンパイア達に示しがつかないだろう」

「だとしたら、No.2であるお前を要求してくるかもしれないぞ」

切羽詰まったようなカグヤさんの声が響く。

「マリウスは知ってるの?!」

「……俺は以前に一度マリウスと会っている。奴はヴァンパイアの中でも『偉大なるヴァンパイア一族』だ。気付いていてもおかしくない」

緊張のあまり、背中に幾筋もの汗が流れる。

マリウスは、翠狼の何に気付いているんだろう。

一体、翠狼は……。

その直後、私は信じられない言葉に息を飲んだ。
< 224 / 293 >

この作品をシェア

pagetop