GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
協定を破った律達ヴァンパイアの制圧が目的だったとしても、私を助けてくれた事実は変わらない。

ヴァンパイアと人狼には私の知らない歴史があって、二つの種族を語る資格なんて私にはない。

でも、助けたい。

私を助けてくれた翠狼を、人狼族のみんなを、今度は私が助けたい。

だって好きなんだもの。

翠狼が凄く好きなんだもの。

図書室で、律と行くと言った私の頬をぶって本気で叱ってくれた翠狼。

瀬里との約束を破ってまで私に分からせたかった命の重み。

どれだけ心配してくれていたのか、抱き締めて分からせてくれた翠狼。

私、あなたが好きだ。

あなたの為なら何だって出来る。

私は再び月に眼をやると決心を固めた。
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