GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
vol.6
愛を胸に抱いて
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「お願いがあるんです」
開かれたドアを一歩入った途端にそう言った私に、マリウスはクスッと笑った。
「まずは座らない?」
「あ……はい……」
「おいで」
「……」
マリウスが動く度に、たっぷりと作られたマントのヒダが優雅に揺れる。
広い廊下はそう長くなかったけど、私は歩いている間、マリウスの均整のとれた後ろ姿を見つめた。
細身の長身、暗い廊下でも分かるプラチナ色の髪。
銀色の長靴には同色の拍車が付いていて、何だか私は中世のヨーロッパに迷い込んでしまったような錯覚を覚えた。
やがてステンドクラスを嵌め込んだ扉が見えてくると、彼はそれを開けて私を振り返った。
「お願いがあるんです」
開かれたドアを一歩入った途端にそう言った私に、マリウスはクスッと笑った。
「まずは座らない?」
「あ……はい……」
「おいで」
「……」
マリウスが動く度に、たっぷりと作られたマントのヒダが優雅に揺れる。
広い廊下はそう長くなかったけど、私は歩いている間、マリウスの均整のとれた後ろ姿を見つめた。
細身の長身、暗い廊下でも分かるプラチナ色の髪。
銀色の長靴には同色の拍車が付いていて、何だか私は中世のヨーロッパに迷い込んでしまったような錯覚を覚えた。
やがてステンドクラスを嵌め込んだ扉が見えてくると、彼はそれを開けて私を振り返った。