GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
****
結局翠狼は家につくまで一言も喋らなかった。
「お邪魔します……」
「……」
車を降りた私の手を再び掴むと、彼はリビングへと歩を進める。
「あの、翠狼……」
「さっきの事だが」
ドアを閉めるとようやく私の手を離して、翠狼がこちらを見下ろした。
「うん……」
うつむく私に彼が低い声で問いかける。
「あの男とはどういう関係だ」
「……山下くん?山下くんは、同じクラスで、」
「お前はただのクラスメートと抱き合ってあんなことまでするのか」
険を含んだ言葉で私の声を遮った翠狼を思わず見上げた。
抱き合って、あんなこと?
考え込む私に、翠狼が苛立たしげに瞳を光らせる。
「答えろ」
違うのに……。
違うよ翠狼、山下くんとはそんなんじゃない。
私が……抱き締めたいのは……。
私が、抱き締めたいのは……翠狼、あなただよ。
だって好きなんだもの。すごく、すごく。
結局翠狼は家につくまで一言も喋らなかった。
「お邪魔します……」
「……」
車を降りた私の手を再び掴むと、彼はリビングへと歩を進める。
「あの、翠狼……」
「さっきの事だが」
ドアを閉めるとようやく私の手を離して、翠狼がこちらを見下ろした。
「うん……」
うつむく私に彼が低い声で問いかける。
「あの男とはどういう関係だ」
「……山下くん?山下くんは、同じクラスで、」
「お前はただのクラスメートと抱き合ってあんなことまでするのか」
険を含んだ言葉で私の声を遮った翠狼を思わず見上げた。
抱き合って、あんなこと?
考え込む私に、翠狼が苛立たしげに瞳を光らせる。
「答えろ」
違うのに……。
違うよ翠狼、山下くんとはそんなんじゃない。
私が……抱き締めたいのは……。
私が、抱き締めたいのは……翠狼、あなただよ。
だって好きなんだもの。すごく、すごく。