GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
逞しい腕が私をさらうように引き寄せた拍子に、彼の固い胸に額が密着する。

どう……して……?

意味が分からない。

彼の気持ちが知りたくて、私は顔を起こすと翠狼を見上げた。

でも彼は眉を寄せていて、ものすごく不機嫌そうだった。

「翠狼……?」

「気に入らない」

ドキドキするし、ズキズキと胸が痛む。

私は涙声で彼に言った。

「……じゃあ教えてよ、翠狼……。どうしたらあなたにこれ以上嫌われなくてすむのか」

悲しくて怖くて、声が震えた。

「……どうして……?どうして?気に入らないならこんな風にしないで」

腕の中から出ようとして、私は翠狼の胸に両手をついてグイッと伸ばした。

けれど翠狼はそんな私の手首を素早く掴むと、その指を凝視して低い声を出した。

「……マリウスから贈られたらしいな」

ドキッとした。

だって私……この事はカグヤさんにしか言ってないもの。
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