GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「俺でよければいつでも一緒に作ってやる。ここは翔の家だが、瀬里のアトリエになってるしいつでも来ればいい」

その時急にドキンとした。

「……ほんとに?」

思わず口を突いてそう言ってしまった私に、雪野一臣は頷いた。

「嘘はつかない。遠慮しなくていい」

このときの気持ちを、一体どう表現すればいいんだろう。

嬉しくて、ドキドキするようで、胸の中が温かいようで。

「コーヒー飲むか?」

「あ、うん。あ!それくらいなら、私が」

慌てて立ち上がると、雪野一臣が私を斜めに見た後、再びキッチンへと向かった。

「今日は俺が淹れる。座ってていい」

「……ありがとう……」
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