GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「全然寒くない。俺は寒さに強い」
……私に気を使わせないようにそう言ってくれているのが分かるから、余計に申し訳なく思ってしまう。
暫く歩いた時、艶やかな声が耳に届いた。
「藍」
急に名前を呼ばれてハッとした。
辺りは暗かったけれど、私は十メートル程先の街灯の下に律の姿を見つけた。
途端に胸がドキンとして、寒さを忘れる。
「律っ!」
反射的に駆け寄ると、律が私を腕の中に囲った。
「家にいなかったから心配した。何してたの?」
私は律を見上げて笑った。
「あのね、律。今日は友達に画のモデルを頼まれててね。で、」
私がそこまで言った時、律が冷たい声で短く言った。
「……野良犬の匂いがする」
……私に気を使わせないようにそう言ってくれているのが分かるから、余計に申し訳なく思ってしまう。
暫く歩いた時、艶やかな声が耳に届いた。
「藍」
急に名前を呼ばれてハッとした。
辺りは暗かったけれど、私は十メートル程先の街灯の下に律の姿を見つけた。
途端に胸がドキンとして、寒さを忘れる。
「律っ!」
反射的に駆け寄ると、律が私を腕の中に囲った。
「家にいなかったから心配した。何してたの?」
私は律を見上げて笑った。
「あのね、律。今日は友達に画のモデルを頼まれててね。で、」
私がそこまで言った時、律が冷たい声で短く言った。
「……野良犬の匂いがする」