GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
*****

数時間後。

「いらっしゃい。無理言ってごめんね」

「ううん、いいよぉ!私の方こそこの時期なのにこんなこと頼んでごめんね」

インターホンの音に慌てて玄関を開けると、イーゼルと大きな木のパネルを手にした瀬里がニコニコして立っていた。

リュックも背負ってるし……すごい荷物だ。

実は……画を描く場所を私の家に変えてもらたのだ。

瀬里は最初驚いていたけど、いつも極力同じ時間帯でモデルになってくれるなら、私の部屋でもいいと言って笑った。

なんでも南側の部屋というのは太陽の影響を受けやすく、明るさや影が変わってしまうために画を描くのに不向きなのだそうだ。

瀬里のアトリエは北側だったのを後で思い出した私は少し後悔したけど、瀬里はとても嬉しそうに笑っていた。

「なんか、ごめん」

ボソッと私が呟くと、瀬里は首を横に振った。
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