Sweet Hell
最近の私はジャスティンのメッセージを開くたびにそわそわした。
いつも私の度肝を抜くようなセリフが返ってくる。
いつもそのセリフに私はドキドキして嬉しくなって興奮する。
その感覚を味わえると思うと緊張して心が浮き足立った。

”場所は浅草になったよ。本当は日本の伝統を感じたくて
ダディが京都に行きたいって言ってたんだけど、メープルは東京にいるから
どうしても僕は東京に行きたかったんだ。なんとか説得して浅草だったらOKってことになったんだ。”

私はそのメッセージに「やったー」と言って小さくガッツポーズをした。

”メープルに会えるの楽しみだなぁ。もう宿題なんて手につかないよ笑”

彼の言葉一つ一つに愛着が湧いて思わず私は読みながらにやけた。

「宿題やらないとダメじゃないの」

その時だった。
誰かが近づく気配がして私は思わず携帯からその方に視線を移した。

「あ、お疲れ様です」

私と目が合った本郷さんは私に挨拶をした。

「お疲れ様です」

私は一瞬驚いたが何事もなく携帯を仕舞うと
居酒屋に戻ろうとした。
するとその時、本郷さんに声をかけられた。

「あの・・・」

「え・・・・?」

私は驚いて思わず彼の方を振り返った。
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