Sweet Hell
トクトクとお互いの心臓の音がする。
温かい、居心地が良い、彼のぬくもり。
こんなにも幸せを感じたのはいつぶりだろう。
このまま離れたくない、ずっと。
彼がアメリカに帰らなきゃ良いのに。

そう思ってると彼が急に
”Hey! What's that!?"と聞いてきたので
私は顔を上げてその方を見た。

”あぁあ、カラオケだよ”
”カラオケ?”
”うん、歌う?”
”うん!まずはメープルから歌ってよ!”
”えーー!?私!?”
”うん、レディーファースト”

レディーファーストって嫌だなぁと思いながら
私はマイクを取ると選曲をした。
彼が知ってる歌が良いだろうと思い、
私はタイタニックのテーマ曲、MY HEART WILL GO ONを歌った。

歌い終わるとジャスティンは歓喜の声を上げながら
私の歌を絶賛した。
”素晴らしいよ!声も綺麗だ!メープルは歌が上手いよ!”
”そんなことないよ!”
”いや!とっても上手だよ!まるでセリーヌディオンさ!”
「わーお」と低いテンションで応えた。

私は決して歌が上手い方ではないのだけど
ジャスティンの褒め言葉がお世辞なんだか本音なんだか
正直わからないくらい盛ってるのでどう反応していいのか分からなくて困った。
アメリカ人ってきっとみんなこうなんだろう。
でも、そんな彼の大袈裟な反応がくすぐったいけど嬉しかった。

そして彼の番になり、彼はジャスティン・ビーバーの
As long as you love meを選曲した。

”彼は素晴らしいよ!カリスマだ!僕と同じ名前だし、好きなんだよね”と言うと
曲が流れ、歌い始めた。

私は彼の歌声を聞いて衝撃を受けた。
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