Sweet Hell
するとジャスティンはキャサリンの肩に手を置いて
”今度はこれを試してみなよ”と笑いながら言っていた。
本当に楽しそうで見ているこっちが虚しくなった。

たかが妹に、なんで私はこんなにも嫌な気分になるんだろう。
ジャスティンだって、
さっきまで私をあんなに求めていたのに
もう私のことなんか忘れたように妹のばかり可愛がって
ちょっとは私のことも見てよ。

彼の両親が突然、夫婦同士の会話を始めた。
話すスピードが早いから聞き取れない。
ジャスティンはジャスティンで妹と笑いながら寿司を食べてた。

あーつまんない。
私はなんでここに来てしまったんだろう。
一流の寿司職人が作った寿司を食べる。
「本当に美味しい・・・・」
今まで食べてきた寿司なんかとは比べ物にならないくらい美味しくて
あぁ、この美味しい寿司が今の私の寂しさを紛らわせてくれるんだなと思った。

寿司を食べ終え、店を出ると私はご馳走になったお礼を述べた。
彼の両親が”いいのよ、こちらこそありがとう”と言って別れのハグをした。

ハグに慣れていない私は少し戸惑ったけど
彼らの温かさや優しさを感じて少し嬉しかった。
キャサリンにもお礼を述べると彼女ともハグをした。

そしてジャスティンの方を向くと彼は私をハグした後、
”またメッセージを送るよ”と言って私の頬にキスをした。

わぁあ!親のいる前なのにキスしてきた!!
と心の中で驚いたけど、みんなの前では平常心を保ちながら
”OK、待ってるわ”と応えた。

そして最後にまた手を振って彼らと別れた。

どっと疲れた1日だった。けれど、すごく幸せな1日だった。

「ジャスティン・・・」

また、あなたに逢える日を願って・・・
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