不純な先生だけど好きなんです
が────────────
「ん⋯⋯
いないな⋯⋯。
したから上までもう3週はぐらいぐるぐる回ってるんだけど、これも見当違いだったのかな」
さすがの私でも家にいないから、モールにいるっていう発想は思い浮かばないな⋯⋯⋯。
それに⋯⋯やっぱり周りの人の目線が痛い⋯⋯。
ただえさえたくさんの人がいるのに、私一人が浮いてる感じだ⋯⋯。
「ここじゃないと思うな⋯⋯
もう少し先生の行きそうな場所を当たってみない?」
「いや、私の勘だと絶対ここが怪しいんだよね!
もういっちょ1階から探してみるか」
勘なの⋯!!?
よくもまぁそこまで自分の勘を盲信できるな⋯⋯と半分飽きれながらも
私は1階に行こうとしている咲について行った。
そしてまた1階についた時────
プルルプルル、プルルプルル────────
咲の携帯がなった。
おかあさんからの電話だったみたいで、
電話に出た咲が急に、
「あぁーーーー!」
って思い出したように言って私の方を見るから嫌な予感がした。
「ウチ、今日5時から歯医者だったんだ⋯⋯!!」
電話の奥では
"忘れてたの!?"
という咲のお母さんの驚いている声が漏れていた。
私は、近くにあったモールの時計に目をやった。
もうあと数分で5時を回るところだった。
「ごめんりこ、
これ以上は一緒に回れないけど、ちゃんと先生見つけるんだよ!」
と、言ってすぐに近くの出入口から走っていってしまった⋯⋯。
私⋯⋯一人になっちゃった!?
どうしよう⋯⋯こんな派手なのに一人でいるなんて恥ずかしいし⋯⋯
だからと言って何もせず、家に帰ったらせっかくメイクしてくれた咲に悪いし⋯⋯!!
それに⋯⋯先生にも見てもらいたい─────
ちょっとだけ迷ったが、とりあえずこのモールにはいないだろうと思い、
もう1度先生の家に行くことに決めた。