不純な先生だけど好きなんです
家には、もうお金が無い
普通の家庭では大黒柱である父親は
私が生まれてすぐ、母と赤ちゃんだった私をおいて出っていってしまった。
しかも有り金を全部持っていったっていう⋯
なんともまぁ身勝手な男だよね。
母は働いていなかったし、ゆくあても無く、
ボロアパートに引越し生活費だけでも手一杯になった。
中学になってすぐ、私もバイトし始め、なんとか今は安泰して暮らせている。
少し遠いけど公立の高校にも入ることが出来たし今の生活を崩すわけに行かない⋯
停学になったら困るけど
やっぱりバイトはこのまま続けるべきかな⋯
「はぁ⋯。
ごめん咲、やめるわけにいかないから秘密にしといてもらえる?」
私は咲だけに聞こえるような声で言った。
「それは良いけど、あんま無理しないようにね。」
「うん」
咲は昔から私のことを心配してくれる、とてもいい人だからこのことは誰にも言わないでくれるだろう。
一人話せる人がいるってだけでも気持ちが軽いもんだよ⋯。
とりあえず先生や生徒に鉢合わせさえしなきゃ大丈夫⋯。
遠いし、うちの方面に住んでる人いなさそうだからきっとバレない⋯⋯はず。
「それはいいとして、莉心!
ちょっと⋯」
そう言ってにやけながら咲はこまねきをしてきた。
なんだろう?
近づくと咲は耳元で言った。
"ウチらの担任、若い男らしいよ"