不純な先生だけど好きなんです
何かと思えば⋯⋯
少し期待して損した⋯。
と言いますか、どっから入ったのその情報。
この高校は担任は各クラスに戻ってからの発表らしいのに⋯。
「さっき同じクラスの子に聞いた。
出席簿を持ってるの見たんだってさ」
しかもかなりのイケメンらしい
と続ける咲。
正直、その話より
もうそんな友達ができている事に驚くよ⋯
昔から誰にでもオープンな性格だったもんなぁ。
どうしよう⋯
私なんかこれからが色々不安でイケメンに騒げる気力もでないよ⋯
すでに憂鬱になりながら肩を落として歩いた。
「うそっもしかしてあれかな!!?」
急に咲が声をあげた。
「ねぇ見て莉心!
きっとあの人だよあの人!うちらの担任っ!!
目の前にいるあの若い男の先生!!」
えぇ⋯
どれだ⋯⋯
私はいやいや顔をあげる。
その瞬間、私の目に写ったのは───
「⋯⋯あー!⋯きっ⋯昨日の⋯」
思わず指をさしてしまった。
前にいたのは⋯⋯
昨日私を助けてくれた、 "鷹原" という男だった。
あ⋯またなにか不安がつのっていく予感がする⋯。