不純な先生だけど好きなんです
そして鷹原先生は、何かあったら話聞くかわかんないけどとりあえず声掛けて、とか意味のわからないことだけ言ってこの教室から出ていってしまった。
それに続いて咲も
「あっウチも部活だ。頑張れ莉心!」
と足早に去っていった。
結局、神崎くんと2人になったので、私は仕方なく神崎くんがいる所の前の席へ座った。
すると机の上にあった何枚かのプリントのうち1枚を私の前に置いた。
「先生から課題だされてるからとりあえずこれからやろう」
うるさい男子とは違ってすごく落ち着いた声でなんとなくしっくりくるなと思う
ていうか、あんの先生⋯課題はしっかり出していきやがって⋯!
と、心の中で思ったけどさすがに口には出さなかった。
だって⋯⋯
前にいるのはすごく真面目だろうと思われる学年トップで、
しかもこんな私のためにわざわざ教えてくれるっていうのに文句なんか言ってられないよ。
私はシャーペンを手に持ち、プリントに目を落とした。
「え⋯⋯⋯足し算⋯」
あの先生はどこまで人をバカにしてんのよ!