不純な先生だけど好きなんです
夏休み突入
期末も無事終わって、
数学愛好会も続けられ浮かれてる私に
今度、訪れるものといえば待ちにまった夏休みだった
「今年の夏休みは補習はないし学校に来るのは登校日ぐらいですね。
神崎くんも鈴木さんも、部活もやってないみたいだし」
部室で先生が私たちに話してきた。
いまは放課後で、今日は神崎くんも一緒にいる。
「一学期はこうやって集まるのは今日が最後かな」
そっか⋯⋯
明日からは早帰りになってしまう
今日が終われば長い間この教室に来ることはなくなるんだ。
ただの愛好会だし
さすがに夏休みまではやらないもんね。
学校に来ることがないってことは
夏休みの間は先生に会うこともなくなる。
バイトもたくさんできるし少しゆっくりできるから早く休みに入っては欲しいけど
んん⋯⋯
そこらへんは複雑⋯⋯。
「ということで、どれだけできるようになったかテストするか。」
なんて物思いにふけていたら
え、テスト!?
なんでいきなり!?
「抜き打ちですか!?」
「そうだけど、今までの事の復習だよ。
簡単に解けると思う。」
そんなこと言われたって⋯⋯
できる気がしないよ⋯⋯
「神崎くんもいいよね?」
いやいやいや、いきなりなんて嫌だよね!?
「僕は、別に構いませんよ。」
特に焦る様子もなくいつも通り受け答える神崎くん。
嘘でしょ⋯⋯?
「だってさ。
時間ないからはじめるね」
うぅ⋯⋯
ほとんど強制じゃないっすか。
鬼教師め⋯⋯
「はい、じゃあスタート。」
わたしは心の中で恨みながらしかたなく紙にペンを滑らせた