不純な先生だけど好きなんです
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「丸つけ終わったけど神崎くんは満点です。
さすがだね」
先生はそう言って神崎くんにさっきのテストを返した。
「ありがとうございます。」
神崎くんもとくに喜ぶ様子はなくさらりとテストを受け取る。
凄いな⋯。
丸ばっか⋯⋯
というか全部丸なのか⋯⋯。
私だったら大声で喜んじゃうのに⋯⋯。
「えーっと。
鈴木さんは⋯
そこまで難しいテストじゃないのに
どうしてこんな点数なんだって話ですかね。
今まで、俺は君になにを教えてきたんだか⋯。」
そうやってまたすぐ人を馬鹿にしてくる⋯⋯。
「ちょ、ちょっと頭が働かなかっただけですよ。
普通ならもう少し取れてますよ」
でも────────
「それでも、最初よりは進歩はしたね
期末もそれなりだったし一学期は頑張ったんじゃない?」
返されたテストはけっしていい点数ではなかったけど、
少しでも褒めてくれようとしてるところとか意外と嬉しかったりする。
「あ⋯ありがとうございます…⋯。」
「あ、別に誉めてないよ
間違ってもこんな悲惨な点数でうぬぼれないでくださいね。」
それでもって一言余計なのよね!!
「言われなくたって分かってますよ!!」
「ふっ、嘘だよ
少しだけど褒めてる。」
さっきまでちょっとイラッと来てたけど⋯
怒るより先に顔が綻んでしまう。
それに⋯⋯また久しぶりに先生の笑った顔見れたからいっか。
「先生と鈴木さんって、仲いいですよね。」
「なにいってんの。
バカにしてるだけだよ。」
神崎くんの言葉に対して、今度は真面目な顔で言葉を返す。
そう⋯⋯。
告白なんて忘れられたんじゃないかって思うぐらい
ほかの生徒と変わらない
"普通" のまま。
今まで通りにはいてくれてるけど
どちらかと言えばわたしに対して
一線引かれてるみたいで
それ以上になることはなかった。
夏休みに入って間があくと、本当に何事も無かったかのようになってしまうのかな。
少し寂しい気はするけど
距離ができるよりはいいのかもしれない。