大きな青空の下で君を見つけた
そして俺はもう1つ、気になることがあった。
それは、喘息の可能性。
きっと、本人が気づいているのかは分からないけど、それは聴診をしたときにかすかに喘鳴が聴こえた。
それに眠りながら、咳き込む彼女を見て、きっと心臓病だけじゃなくて、喘息も併発している可能性を疑った。
「沙彩ちゃん、ちょっと話したいんだけどいい?」
部屋を後にした彼女の姿を追いかけ、教室で帰る支度をしている彼女を見つけ呼び止めていた。
「何ですか?まだ何か。」
そう言いながらも、荷物を整理しながら、手を止めてくれた。
「今までに、咳が長く続いたり咳で呼吸がしにくくなったっていうことあるかな?」
「…それ、答えないといけませんか?」
「教えてほしい。」
ため息を着いてから、俺の目を見て話してくれた。
目が合うと頭のてっぺんから足先まで電流が流れていくように、きれいな彼女の瞳に吸い込まれそうになった。
そんな姿を見て、この子はちゃんと話をしてくれようとする心がまだ残ってくれていることに少しだけ安心した。
きっと、信用してはいないんだろうけど、どこかで人の話を聞く心がまだ残ってる。
今の彼女を見てそう感じた。