大きな青空の下で君を見つけた
「だから、沙彩はまず我慢しないで話すことから始めてほしい。」



「最初から、そんなことを言われても、私…どうしていいか分からない。」



「最初は、難しいかもしれない。でもな、少しずつ時間をかけてでいいんだよ。ゆっくり時間をかけて、自分がどうしてほしいのか見つけていけばいい。最初から、簡単に変わることなんてできない。けど、沙彩。これだけは約束してほしい。」



「なに?」



「寂しかったり、独りぼっちに感じたら、すぐに呼んで。」



「え?」



「それだけは、約束をしてほしい。」




先生は、私の両手を握りしめ、視線を決して逸らさずに真剣な眼差しをしていた。




この人は、本当に私を思ってくれているのかもしれない。




もし、そうなら私は先生を頼っていいのかもしれない。




自然とそう思う自分に驚いている。





「今日は、もうゆっくり休みなさい。明日からまた、喘息の方の治療を再開するからね。」





優しい瞳が、急に医者の顔になって私の前髪を整えるように撫でた。




でも、その温もりが私にとっては温かかった。




安心できる温もりって、こういうことを言うのかな。




初めて感じる、人の温もり。




眠っている時、誰かがそばにいてくれるって、こんなにも温かくて幸せなの?




先生のおかげで、私はすぐに深い眠りにつくことが出来た。
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