大きな青空の下で君を見つけた
ーside沙彩ー

重い瞼を開くと、手に違和感を感じた。



「起きた?」



見知らぬ男が私の手を包み込むかのように握っていた。



だれよ。この人…。




その人の手を振り払った。





「触らないで。」



知らないその人に恐怖を覚えた。



それなのに、



「気が付いた?体育館で倒れたんだよ。」



そうだった…。



私、先生の話を聞いてたら急にめまいがして、血の気が引く感じがして倒れたことを思い出した。







「やっぱり、君だったか。」





「え?」




「伊月沙彩さんだよね。」





「はい。」



何で私の名前知ってるの。




「俺、佐伯理人。今日からここに派遣された。沙彩ちゃんのことは、沙彩ちゃんの担任の先生から聞いた。少しずつ、ゆっくりでいいから俺のこと頼ってほしい。」




「…私、これからもきっとあなたに頼ることはないと思います。そんなに、学校にも来れないから。だから、これで最後です。迷惑かけてすみませんでした。」
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