始まりと終わり
「ありがとうございます。
立花さんは寒くないですか?」
「俺は大丈夫。
それより、結香ちゃん俺と付き合う気ない?」
「どうして、私なんですか。」
しばらく間があった。
「…なんとなく、だよ。」
立花さんはいたずらっぽく笑った。
「あの…」
言わなきゃいけないのに、怖い。
「なに?」
本当のこと言ったらどうなる?
「私…その…、」
立花さんは私のこと嫌うだろうか。
8歳は大きすぎる。
「…やっぱりなんでもないです。」
「それ気になる。絶対今のはなんでもなくないじゃん。」
「ほんとになんでもないです。ただ…」
「ただ?」
「学校が始まったらしばらく会えないです。」
「そっか。俺もだよ。
俺も春休み終わったら忙しくなるから。」
「立花さん、今春休みなんですか?」
「うん。でもまたメールしてよ。」
私はうなずいた。