始まりと終わり
「…えっと。だめじゃないです。
でも、私、立花さんに嘘ついてます。」
立花さんはきょとんとしている。
「え?どんな嘘?」
「私、高校生なんです。高校3年生です。」
「…本当に?」
立花さんは本当に驚いているみたいだった。
「本当です。ごめんなさい。」
「あー、もしかして、酒飲んでなかったのも未成年だから?」
「まあ、そういうことです。」
「俺どうしたらいい?」
どうしたら、って。
「好きにしてください。」
「それ、どういう意味で言ってるの?」
あ、そっか。
好きにして、とか私大胆発言じゃん。
自分で言っておきながら顔が赤くなる。
「…すみません、そういう意味じゃなくて。
立花さん、…高校生はだめですか?」
「んー、どこの高校?」
「桜が丘です。」
「……そっか。
とりあえず、今日はもう帰ろう。
日が暮れてきた。」
二人は立ち上がって歩き始めた。