始まりと終わり


「君のお姉さんすごいね。」


「いつもああなんです。


合コンを狩りだと思ってるんだと思います。」


「そうか…。


結香ちゃん、さっきの話、だめかな?」


さっきの話、って…?


「君をお持ち帰りしたいなぁ、なんてね。」


「あ、え…。」


こういうことサラリと言えちゃうんだ…。


「結香ちゃんと話してて楽しかったんだけどなぁ。


…あ、もしかして年上のオジサンはやだとか?


って言ってもまだ26だけどね。」


「私も楽しかったです。


けど、今日会ったばかりですし…。


その、よければデートしてくれませんか?」


我ながらに何を言っているんだろう、って思った。


でも、正直、立花さんはタイプだった。


「えー、それは困るな。」


遊ばれてる…。


「あ、ごめんなさい。


そんなつもりじゃ、…その、…。」


ぽん、と頭に手を置かれた。


「困るな。先に言われちゃ。


俺がデートに誘おうと思ってたんだけど。」


「えっ…。」


「都合の良い時に連絡ちょうだい。」


一枚の紙にメールアドレスを書き始めた。


「いいんですか?」


「もちろんだよ。」


アドレスを渡すと、立花さんは飲み屋を後にした。

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