小悪魔執事と恋ゲーム
中に入ると、若い女の人たちがゆったりとお茶会を楽しんでいた。
ケーキの甘い香り……
「どこに座りたい?」
「どこでもいいわ! 八乙女が座りたい席だったら」
「なんだよ、それ。 答えになってねーし」
「へへっ、」
わたしがお嬢様じゃなかったら、莉愛さんみたいになれたのかな。
八乙女の気持ち知れたりできた?
こうして、八乙女が執事だから。
どんなときも傍に居てくれる。
けど……それが執事じゃ意味ないんだ。
わたしはちゃんと凛久に見てほしいよ。
こんなに苦しい想いするくらいなら、もういっそのこと。
お嬢様なんてやめてしまいたい。
もしそんなことを八乙女が知ったら、いつもみたいに笑いながらバカにされちゃうのかな。