小悪魔執事と恋ゲーム




そのまま八乙女はベットに近づいて、わたしの頭の横に手を置く。



ほっそりとした指先は女の子みたいけど、浮き出た血管が見えたとき、ドキッとするんだ。



わたしばかりがときめかされて悔しい……けど。



何気ない普通の仕草でも、ひとつひとつが愛おしく見えて仕方なくなる。



ココロごとぜんぶ八乙女に支配されていくみたいね……こんなの。




「なんだか、今日は一緒に居たい気分なんです」


「へぇ、それは奇遇ね。 わたしもよ」


「……フフ。 それは嬉しいです」




横顔がいつもに増して優しい雰囲気に見えて。



なんだか、素の八乙女を見ている気がしたんだ。




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