小悪魔執事と恋ゲーム
好きだからこそ独占したくなるのに。
男と出かけるとか……
デートしに行くようなもんだろ。
ねぇ頼むから……簡単にそうやって、
俺以外の男に懐いたり寄せつけないで欲しい。
俺はいつだって穏花しか見ていないのに。
またどこかに消えて、俺のそばから離れて行ったらって……。
そう思っただけで気が狂いそうになる。
もう二度と、穏花だけは失いたくない。
だから彼奴のところには絶対逢いに行かせない。
奪われる前に連れ去るつもりだ。
……でも行き先はカフェしか聞いてないし。
探すには情報が不足し過ぎている。
「……仕方ない。 こうなったら何が何でも邪魔してやる!」
近くに置いてある冷めきったコーヒーを余すことなく全て飲み干した。