小悪魔執事と恋ゲーム
「穏花様って、あのお方じゃない?」
ドキンッ──。
二人の会話に歩く足を止める。
「まぁ、やはり!」
「あのような高嶺の方に、とても叶いませんわ……」
「本当ですわね……。」
今あの二人。
わたしの名前……言ってなかった?
“穏花様”
そう確かに聞こえたような気がするの。
内容までは詳しく聞き取れなかったけど……。
でもさっきの二人は薔薇がピンクだったから、一年生のはず。
なにか注目されるようなことしたっけ。
下級生に知られてるなんて、よっぽどよね!?
えーっと、えーっと……。
もし心当たりがあるとすれば一つ。
朝のことだ。