小悪魔執事と恋ゲーム





「穏花様って、あのお方じゃない?」




ドキンッ──。



二人の会話に歩く足を止める。




「まぁ、やはり!」


「あのような高嶺の方に、とても叶いませんわ……」


「本当ですわね……。」




今あの二人。



わたしの名前……言ってなかった?



“穏花様”



そう確かに聞こえたような気がするの。



内容までは詳しく聞き取れなかったけど……。



でもさっきの二人は薔薇がピンクだったから、一年生のはず。



なにか注目されるようなことしたっけ。



下級生に知られてるなんて、よっぽどよね!?



えーっと、えーっと……。



もし心当たりがあるとすれば一つ。



朝のことだ。



< 345 / 439 >

この作品をシェア

pagetop