小悪魔執事と恋ゲーム





だから神代さんともデートして、好きになる努力もしてみた。



でも……。



どうしても消えてくれなくて、無理だった。



八乙女が執拗に頭から離れようとしない。



たぶん、これがわたしの答えなんだって。



自分でも参っちゃうくらい……
好きだったんだって。



気持ちにウソはつけなくて。



八乙女のこと考えるだけで、視界が滲む。




「ハァ……仕方ないわね」




目の前にはパウンドケーキが差し出される。




「特別に私のパウンドケーキを好きなだけあげる。 
 だからその死神みたいな顔どうにかして」




相変わらず、言葉はトゲトゲだけど。



これも望ちゃんなりに励ましてくれてるんだよね。




< 376 / 439 >

この作品をシェア

pagetop