小悪魔執事と恋ゲーム
だから神代さんともデートして、好きになる努力もしてみた。
でも……。
どうしても消えてくれなくて、無理だった。
八乙女が執拗に頭から離れようとしない。
たぶん、これがわたしの答えなんだって。
自分でも参っちゃうくらい……
好きだったんだって。
気持ちにウソはつけなくて。
八乙女のこと考えるだけで、視界が滲む。
「ハァ……仕方ないわね」
目の前にはパウンドケーキが差し出される。
「特別に私のパウンドケーキを好きなだけあげる。
だからその死神みたいな顔どうにかして」
相変わらず、言葉はトゲトゲだけど。
これも望ちゃんなりに励ましてくれてるんだよね。