小悪魔執事と恋ゲーム
「ご主人様、大変お待たせ致しました。
ご注文のオムライスでございます」
ケチャップでハートを描いている最中。
やたら横から感じる視線。
最初は気のせいだと思っていたけど……
視界の隅に映るのはニタニタの笑顔。
……やっぱり見られてる!?
ささっとハートを描き終わらせて
「では、ごゆっくりどうぞっ」
そそくさとテーブルから離れる。
はぁ……怖かった!
八乙女と居るときは全然平気なのに。
なんだか、あの人だけは少し苦手。
なんて考えながら、コップに氷を入れていると──
「氷落としてる。 それとそんなに必要ないわよ」
近くを通る望ちゃんに言われて、ハッとする。