小悪魔執事と恋ゲーム





「君が大人になるまで、ずっと秘密に待ってた。 
 俺の婚約者は君しかいないって。 
 穏花さん以外、誰も考えられなかった」


「神代さん……。」


「でも仕事と違って、恋愛は計画通りには行かないみたいだね。 迎えに来たときにはもう既に美男子くんに
先を越されちゃったし」




『まさか先約されるとは思わなかったよ』
なんて苦笑いする。




「それに穏花さんは優しいって言ってくれたけど、
 優しくなんてなれてないんだよ。 俺も」


「えっ? そんなこと!」


「今日君を見つけたとき、まだ俺にもチャンスがあるんじゃないかって。 不覚にも思っちゃったからさ」




缶コーヒーに口をつけ、ゴクッと鳴らす喉仏が色っぽく感じる。




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