小悪魔執事と恋ゲーム
「わっ、」
状況を理解している時間もなく、一瞬で八乙女の方に引き寄せられる。
「悪いけど穏花は、お前らみたいな幼稚なガキとは遊ばないってさ」
ドキッ──。
今、“穏花”って呼び捨て……
「こっちだってお断りだっつーの!」
「あーあ、時間の無駄だった!」
白けた表情を浮かべる二人は、文句の言葉をこぼした。
「勘違いすんなよ。 程度の低い男に高嶺の華が簡単に手に入るわけねぇだろ」
棘のある声で言うと、キッと殺気をはらんだ視線で睨みつける。
あんな怖い顔……見たことない。
もしかして、わたしのために怒ってくれたの?