一枚から始まったラブレター
お昼ご飯を食べ終えた私は、今日が日曜日のこともあり、お母さんと二人プラネタリウムを見に行くことにした。

最近ではクリスマスツリーの点灯式もあり、この町がだんだん賑やかになってくる。
夜の町並みもLEDライトのように明るくて、カップル連れが多い。


私は今年、誰とクリスマスを過ごすんだろう。
一緒に過ごす相手なんか、今はいないけど。


「プラネタリウムなんて、本当久々ね~
なんかこういうのって、とてもロマンチストじゃない?」


お母さんとのお出掛けは案外楽しい。
その日だけ姉妹になった気分だし、いつに増して会話が増える。

車の中で流れるKPOPがやけに心地良かった。


「プラネタリウム見るの小学生ぶりかも
本当は一緒に来たい人いたけどね」


「あら?けいにそんな人いたの?」


お母さんが運転する車に乗って科学館に向かう途中、私はつい要らぬことを言ってしまった。

お母さんには男性の影をあまり話したことがない。
しいていえば、かっこいい人はいるけどくらい。

またお母さんに勘違いさせちゃう。


「んー、気になる人くらいそりゃいるよ」


赤信号で車が止まり、歩道を渡り歩く人々が目に映る。

その人混みの中で、どこかで会ったことがあるような見覚えのある人がいた。


あの人誰だろう。
思い出せそうで思い出せず、心がもやもやする気分。
< 17 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop