君ヲ想ウ~セピア色の恋~
「俺もいくよ。」


二人なら辛い気持ちも、分けられる。


半分こ。それでいい。


俺は花を裏庭に呼び出した。


もちろん、天敵・宗もいるけれど、俺は花だけを見つめた。


「あの、俺‥花ちゃん好きです」


『私、彼氏が‥‥』


それでも、彼の目は真っ直ぐ私を捉えて話さない。

「知ってます。俺は花ちゃんの気持ちが知りたいだけだから」


俺はチラリ、とそいつを見た。


こいつは強い。

断れるの、わかってるはずなのに。
< 144 / 154 >

この作品をシェア

pagetop