君ヲ想ウ~セピア色の恋~
ボロボロになった私…………


着物は破かれ…髪は乱れ…



冷たい川に入って行く私……………


「花…?

花!!!!何してるんや」


会いたい人の声に泣きそうになる。



『どうして、来てくれなかったの…?』



涙がポロリと零れた。



「なんのことや…?」


その言葉に気づいた。


あの日、私が汚れた日。


言付けに聞かされた話。


宗司が待ってる、と言う話。


宗司はんに言われた訳ぢゃない。


始めから私は、騙されていたんだ。



織夜に乗せられていた。



泣いてる私に、触れようとする手に



恐怖で叩き落としてしまう。



「どうしたん…………?

花………その姿…………まさか!」



宗司は、青い顔をして花をみる。



『私…………織夜に汚されちゃった。



ごめん、私汚いから


触らないで』


耐えられず崩れ落ちるように泣いた。



冷たい川に浸かり、それでも泣いた。

< 20 / 154 >

この作品をシェア

pagetop