君ヲ想ウ~セピア色の恋~
ーーーーーーーーートイレの鏡前に二人はいた。


「花、宗くんをヤキモキさせたくない?」



私は結衣の言葉に、首をかしげた。



『ヤキモキ?何それ』



「簡単だよ、可愛くなれば今よりもっと、もっと、愛されるよ‼


まぁ、ここは結衣に任せない‼」



ピンクのポーチから、メイク道具を取りだしメイクしだす。



「しかし、ノーメイクでも可愛いって、羨ましいわ‼」


鏡に映る自分が、どんどんどんどん変わってく。

「完成!!いやぁ、花超可愛い‼早く行こう!」



これ、私‥‥‥‥?



薄くファンデを塗り、薄くピンクのアイシャドーに、薄いピンクのチーク。


唇にはグロスを塗り、ぷっくり、とした唇。


長い黒髪を横に流して結ぶ。


結衣はごくり、と生唾を飲む。


「本当やばいかもね、まぢ」


やばい何が?、と聞く前に、渡り廊下に出た。





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