先生〜ずっと貴方だけ〜



私はアドレス帳を開いて矢野先生の番号やメールアドレスを削除した



鞄からイヤフォンを取り出して大好きな歌を聴きながら速く歩く




「おはようございます」



正門で挨拶をしている先生達を無視して下駄箱に向かう




上履きに履き替えて1年校舎に向かおうとした時



「なに聞いてんのこれ?」



右側のイヤフォンを取ってそれを自分の耳に入れる人…



「あ〜〜、これか。なんや結構ラブソング聞くんやな!」



「人のイヤフォン勝手に取らないで」




「ケチやな〜いいやん!別に減るもんじゃないんやし!」



ほっそい目をそれ以上に細くする。


「細い目がもっと細くなってどこに目があるのか分かんないよ。ほら、もっと大きく開かないと」



私は真顔で先生にアドバイスをしてあげる



でもそれが気に食わなかったのか…




「なんや、お前は目がデカくてええな!ほっっそい目で悪かったな!」





プイッと背中を向けて消えて行った




キーンコーンカーンコーン…




うわやば!!


チャイムが鳴る前に教室に入らないと遅刻扱いなのに!


くそ〜!西山め!!






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