先生〜ずっと貴方だけ〜


12月にもなればすぐに外は暗くなる



「さようなら〜」


廊下から聞こえるみんなの声



私はいつまでたっても椅子に座っていて教官室に行く気になれない



でも遅くなればなるほど後々、逃げ道がない気がしてやっと立ち上がった。




重い足を運んで廊下を歩く



教室から教官室まではさほど遠くないからすぐ着く


コンコン


2回のノックにすぐ返事をする矢野先生。


「どうぞ」



「失礼します」



ゆっくりドアを開けて目の前にいる矢野先生に早く話を済ませてよと言葉を投げ捨てた。



「今日、なんで遅刻した?」



「したくてしたんじゃない」



「なにかあったのか?」




担任だからしつこく聞くのは当たり前だろうけど元彼って言うのもあって更にしつこく感じてイライラしする…




「おい、愛菜?」



「あのさ、もう下の名前で呼ばないで?」



ずっと思ってたことがスラッと言える自分に驚く。



「もう別れて私たちは終わったの。
貴方は先生、私は生徒。もうそれ以上もそれ以下もない。」


矢野先生の目を見てはっきり言った。




「……そっか。分かったよ
苦しませて悪かった。でもこれだけは分かってて。俺は君がホントに好きだったよ。
ホントに一目惚れだった。
俺が子供すぎた、、
下村、これからはちゃんと割り切るよ」





すこし切ない目をする先生。


その目に吸い込まれそうになるダメな私。


すぐに目をそらして教官室から出ようとした




ガチャ


「うぉ?!あれ?下村?」



「え?なんで西山?」



「それはこっちの台詞やっちゅうの!
矢野先生、ここスピーカー壊れてます?
何回放送しても矢野先生、こーへんから呼びに来たんですけど」



西山はスピーカーをツンツンと指して矢野先生に問いかけた。


矢野先生はすぐにスピーカーを見に行って笑いながら戻ってくる


「スイッチ入れ忘れてました」



無邪気に笑う矢野先生を私はきっと細工だったなと思い込んでしまって、またイラっとしてしまう。



「あ〜、そうでしたか!なら良かったです!
ほら、下村も暗くならんうちに帰りや」


西山がしめようとしたドアを私は止めて


「私もう帰るから!!」


って西山の後をついて行くことにした。



「じゃ、バイバイ矢野先生」



小さく手を振って教官室を後にする。







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