先生〜ずっと貴方だけ〜


看護師さんが起こしに来る


検査だよって


徐々に視界が広がる。


シャッ と勢いよくカーテンを開ける看護師さん。


眩しいっ…


上半身をベッドが、ウィン…と上げていく



変わりない朝


太陽、おはよう


いつもそう心の中で呟く



だけど




「下村さん?」



心配してくれる優しい声が



「下村さーん?」




太陽はもう挨拶してくれないのかな?



「動けなくなっちゃった…?」



声を詰まらせながら聞いて来る看護師さんは
私の涙に気づいたんだ


「センセイ、呼んで来るからね」


私を担当してくれてるお医者さんを呼びに走っていった



動けない…?

ううん


ほら


肘をテーブルに思いっきり体重のせて
左足をつく。


右足を…




バタンッ!!!




あ…


「下村さん?!!」


お医者さんが私を起こしてくれた


「下村さん、1回横になろうか」


私を優しく抱えてくれた



「大丈夫。大丈夫だからね」

看護師さんも私を抱きしめてくれる


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