先生〜ずっと貴方だけ〜
あたりまえってなに?
私にはもぅ
当たり前がわからない。
夢の中では確かに歩いてるの
話してるの
走ってるの…
「下村さん、大丈夫かな?」
低い声が私を現実に戻す
「進行がかなり早いね…」
下を向きながら私にそう伝えるお医者さんは
私の目を見ようとしない
「親御さん呼ぼうか」
看護師さんが頷き病室を出て行った
泣くんだろうな…お母さんもお父さんも
「キミは強いね」
ニコッと笑うお医者さんは私の頭を優しく撫でた。
強くなんかない。
全然強くなんか…
ガラッ!!!!
「愛菜!!」
息を切らしながら私に駈寄る…愛しい人
なんで?
学校は…?
「愛菜…」
壊れそうなくらい私を強く抱きしめてくる
どれだけ走ったの?
体が熱いよ…?
「ちょっとな今日は遅めの出勤やって
家出た時、さっきや看護師さんが電話くれてん」
少し声が震えてる
「昨日はこれへんくてごめんな」
壊れそうなくらい抱きしめていたのに
更に強くする。