先生〜ずっと貴方だけ〜

先へ



クリスマス。


きっと街にはサンタさんが沢山いて
カップルたちが噴水の前でプレゼント渡したり
ご飯食べにいったり、冷たい手を2人で暖かくしあってるんだろうな。


車椅子に乗る私。


歩こうとすると転んじゃう。


でもね、歩けなくても車椅子が私をいろんなところへ運んでくれる。



先生が前に持ってきてくれた小さなクリスマスツリー。

後ろにあるスイッチを押すとピカピカ光るの



コンコン



「愛菜!」


ツリーを眺めていたら大好きな先生がやってきた
私のサンタさん。



「外!雪降ってるで」


ニコニコする姿の頭の上にはちょっと濡れていて雪が溶けた後。


先生は大きな赤い袋を私のお腹の上にそっと置いた。



「これ、俺からのプレゼント」

照れ臭そうに鼻を触る先生


開けたるわ。って開けてくれた



それはとっても可愛い、サンタさんとトナカイ



「可愛いやろ?」


サンタさんとトナカイをベッドの横にあるテーブルに置いて2人で眺めた


可愛いよ、先生


サンタさんも、トナカイもだけど
これを選んでくれた先生もとっても可愛い。


少し笑うと先生が嬉しそうに

「久しぶりに笑ったな」

って頭をポンポンする



「来年も一緒にクリスマスすごそうな!」


なんて無理なことを言うけど

小さく頷く私をみて泣きそうになる先生が
とっても愛しくて。



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