【短編】あわよくば、君と。

あんただって告白されたら悪い気なんてしないでしょ?
だから嫌なんだよ。

好きな人がモテるってそんなに嬉しいことじゃないよ?


『自慢なら結構でーす、好きな子にでも聞いてもらったら?』


冗談めかしてこの話、終わらせようと思ったのに。

すぐに返ってくる言葉。


『冷凍食品弁当に使わないところ、良いよな」


聞いてないよ。やめてよ。
あんたから好きな子のこと聞きたくない。

確かに、聞いたのは私だけど。
でもだからってこんなこと聞きたかったわけじゃない!

いつもみたいに冗談だって、笑ってよ。
さっきみたいに、ばーかって言ってよ。

私を見てよ。


『へー、そうなんだ』


最後の会話が、あんたの好きな人の話とか嫌だよ。
今、話してるのは私でしょ?

ねえ、目の前にいる私と話をしてよ?



『買い食いしてるしてるくせにダイエット中とか言い張ってんだよな』


『楽してるように見えて本当は努力してるとこ、知ってる』


私が返す前に連続で来た二枚の紙。
嫌なくらいわかる、その子のことどれだけ見てて知ってるか。

好きが伝わってくる。

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