ひなたぼっこ~先生の、隣~【完結編】
「先生…高橋先生、お休みのところ申し訳ないんですが…主任が呼んでます」
寝転がっている俺の顔を覗き込んできたのは、妹尾だった。
「え……あぁ」
何だか懐かしい思いと、久しぶりにまともに顔を見れた嬉しさ、主任に呼ばれたってことはまた何かあったのか……と、色々な思いが一気に駆け巡る。
「高橋先生?」
なかなか起き上がらない俺を、心配そうに見つめてくる妹尾。
「…あぁ、行くよ。行けばいいんだろ?」
ぶっきらぼうに出てしまった言葉。
あ…今のは、マズイよな。
「せの…」
勢いよく起き上がると、妹尾の姿は目の前にはなくー…
あれ?
「…妹尾です。主任お願いします…はい。高橋先生は今、他の生徒を指導中でして…はい。終わってから職員室に戻るように伝えます。…失礼します」
んん?
妹尾が数学準備室の内線を使って、電話をしている。
他の生徒の指導中?
生徒いないけどー…
妹尾は電話を切ると、戻ってきた。