ひなたぼっこ~先生の、隣~【完結編】
【7】二人の歩む道
数日後ー…
「妹尾先生、もう終われそうですか?」
職員室でテストの採点をしていると、先生が声を掛けてきた。
「あ、はい。もう終わります」
時刻は、19時。
部活も終わり、生徒もいない。
他の先生も、ほとんど帰宅し始めている。
「…本当に、こんな時間に挨拶に言って大丈夫なのか?もう、19時廻ってるのに」
周りに聞こえないように、コソコソと話す先生。
「大丈夫ですよ。父が土日休みじゃないので…私たちと休みが合わないですし。母が先生のために夕飯作って待ってます」
「そうか…それなら…」
先生がいつもの様子と違い、緊張しているように見える。
「ふふ…」
「何笑ってんだよ?」
「だって、緊張している先生初めて見ました」
「そりゃ…緊張するよ。昨日の夜、眠れなかったぐらい」
「大丈夫ですよ。父にも話してありますし」
「…妹尾、そのことだけどー…」
「はい?」
そのこと?
「あ…いや……なんでもない。先に車に行ってる、終わったら来て」
「?…はい」
そう言うと、先生は職員室から出て行った。
先生ー…?