幼馴染はどこまでも俺様過保護
父と一緒に進めたカフェのオープン準備も終わり、なんとか来週オープンを迎える事が出来る。今日はアクセサリー&カフェ【LA-MIU】のお披露目会を兼ねて、気心の知れた人達をパーティに招待していた。
「おめでとう御座います。素敵なお店ですね?これ本社の皆からです」
林さんと匙さんがお花を持ってお祝いに来てくれた。
「ぅわー綺麗。ありがとうございます」
「もぅ蒼海さんが居ないから、お昼つまんないですよ?」と、ちょっと口を尖らせて言う林さん。
「なに言ってるの林さん?聞いてるわよ?営業の山下さんと付き合ってるんでしょ?何がつまらないんだか?」
林さんはバレちゃいました。と、笑っている。あれだけ合コンに行っていた林さんも、最近は全く合コンに行っていないようだ。好きな彼氏が居るなら、合コンに行く必要ないってとこだろう。
お店のドアベルが鳴り、ドアの方に目を向ける。
あっ!
「蒼海ちゃんおめでとう」
「澪ちゃんお帰り!」
イタリアに行っていた澪ちゃんが帰って来てくれたのだ。私達は久し振りの再会に抱き合い喜んだ。
「澪ちゃんひとり?亮さんは?」
「勿論一緒だよ!いま荷物を持って来てくれる」
再会を喜んでいると、痛い視線を感じる。
それは隼翔からで「澪、俺にはハグ無いのか?」と拗ねていた。
すると澪ちゃんは隼翔の扱いにも慣れたもので、「あー愛しいお兄様お元気でした?お会いしたかったですわ」と肩を叩いて終わった。隼翔は愛する妹の素っ気ない対応に愕然としていた。
プップップップッ
隼翔のマヌケズラ
笑える
そこへ亮さんが大きな荷物を持って入って来た。
「蒼海さんおめでとう御座います。これちょっと早いですけど」
亮さんがお祝いにとプレゼントしてくれた物は、クーハンに入った大きなクマのぬいぐるみ。受け取ろうとした私に澪ちゃんが慌てる。
「亮!蒼海ちゃんにそんな重たい物持たせちゃダメ!お兄ちゃんに渡して!」
澪ちゃんに言われて、「あっそっか!すいません」と謝り亮さんは隼翔へプレゼントを渡した。