幼馴染はどこまでも俺様過保護
「私はちゃんと考えてますよーだ!今日はお母さんと夕飯作ったし、さっきまで一緒にいたもん!それよりお兄ちゃんこそ、お父さんの病院(ところ)に顔だしなさいよね!?」
「俺は電話で話してるから良いんだよ」
「どうせ仕事の話だけでしょ?お父さん心配してたよ?『隼翔は無理してないか?』って、たまには顔見せてやりなよ?」
「へぇーお前が大人みたいな事言うようになったとはね?」
「もう大人です!だから過保護は辞めてよね!?」
「まだまだお前は子供だよ?この脱ぎっぱなしの服を自分で片付けられる様になったら考えてやるよ?」
床に散らばった脱ぎっぱなしの澪の服を拾い上げたら、澪は「もう、ほっとんて!」と言って、俺の腕からそれを奪い取った。
「お兄ちゃんは私の事なんかより、蒼海ちゃんの心配したら?今だって… 」
澪はしまった…と顔を背けた。
「今だってってなんだ?蒼海がどうかしたか?」
口籠る澪に話せと言って無理矢理聞き出すと、蒼海が合コンに行っていると言う。
「合コンだ!?蒼海が合コンなんて行くわけ無いだろ!?」
「だって本当だもん!蒼海ちゃんはあまり乗り気じゃないみたいだったけど、林さんと出掛けたよ?」
何だと!?
「蒼海ちゃん凄い綺麗だったなぁ…バッチリメイクして、まるで別人だった。服もあんな服持ってたなんて知らなかったよ?あっもしかしたらあれ林さんの服かな?結構胸あいてたんもんね」
「何処だ?」
「はぁ?何が?」
このヤロとぼけるなよ!?
「合コンの場所だ!!聞いてるんだろ!?」
「どうしようかなー?」
そんな呑気にしてる場合じゃ無い!蒼海、酒は弱いんだぞ!もし、酔わされて男に持ち帰りされたら…
「澪!!」
「もーわかった教えても良いけど、私のお願いもひとつ聞く条件だからね!?」