幼馴染はどこまでも俺様過保護
「何考えてるんだよ!?おまえは馬鹿か!?こんな所から下りれるわけないだろ!?」
私は間一髪のところで男に腕を捕まれ落ちずに済んだのだが、仁王立ちする男を前に正座をし、あまりの怒気ある男の声に身を縮めている。
「それに今の時期、あの木は毛虫がいるぞ?刺されて大変な事になる事はお前が一番よく知ってるだろ?それでも下りてみるか?」
男は怒気を含んだ声から、今度は子供を諭す様に優しく話す。
嫌だ!
私は怯え首をブルブルと横に振る。
子供の頃、止められるのも聞かずに桜の終わった今と同じ時期、あの木に登り顔や手足を毛虫に刺され大変な事になった事がある。あんな思いは二度としたくない。
「なら、諦めて大人しくしてろ!!」
ヒィッ!…
家中、いや近隣にも響き渡る怒声に、私だけではなく、そこに居た女も耳を塞いだ。